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基壇石(安山岩)の修理

概  要

名  称国宝 宇佐神宮本殿 葛石修理
所 在 地大分県宇佐市

業務概要

 

本殿基壇石(安山岩製)は、表層剥落や材質劣化などの破損が著しいため修理しました。

クリーニング・表層強化 72.6m2 擬石補修 12本



破損状態

角部分などの一部を残し、表層が広範囲に剥落していました。また、剥落面の表層は材質劣化していました。

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表層の剥落(側面)

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表層の剥落(上面)



クリーニング

表面の塵埃や藻類等の植物は強化剤含浸の妨げとなるため、クリーニングしました。全体を水洗いし、植物付着部分はスチーム洗浄機と軟質ブラシで取り除きました。 クリーニング後、7日間乾燥させました。

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クリーニング



表層強化

吸い込みを確認しながら、シラン系強化剤を3回塗布含浸させ、表面の余剰剤はウエスで拭き取りました。強化後、通常10日間ほど 養生しますが、今回は縁束の塗装工事との調整から長期の養生となりました。

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表層強化

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表層強化完了(養生後)



擬石補修

劣化防止のため剥落部分を擬石で覆いました。欠損が深い部分をプレミックスセメントモルタルで下塗りし、砕いた石粉と変性エポキシ樹脂を混合した擬石材を使用しました。事前に数種類の色見本を作成し、最も色調の近い配合で擬石材を塗り、表面はテクスチャーを石に合わせ調整しました。

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下塗り

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下塗り完了

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色見本(中央は修理箇所の石片)

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擬石塗り

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テクスチャー調整

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擬石塗り完了



擬石材が硬化後、色を調整するため、仕上げ塗りを行いました。

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仕上げ塗り



修理前後比較

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修理前

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修理後